こんな方におすすめ
- 浄化槽とは?
- 浄化槽の年間費用っていくらかかるの?
- 下水道だと水道代が2倍になる!?
- 浄化槽と下水道はどっちが高い?安い?
- 浄化槽と下水のメリット・デメリットは?
- 浄化槽や下水道工事費用は?
順番に説明していくのでこの記事を見終わると浄化槽と下水道の知識が詳しくなります!
この記事の紹介者
タップすると飛べるもくじ
浄化槽とは?
浄化槽は2種類あります、難しいお話は好きではないので簡単にわかりやすく説明すると
・単独(みなし)処理浄化槽
トイレのみの汚水を綺麗にする浄化槽(現在新しく新設するのは法律で禁止されています)
・合併処理浄化槽
家庭から出る雨水以外の汚水・生活排水を綺麗にする浄化槽
となっています。
規模が違うだけで下水処理場とほぼ同じ工程で汚水の処理をしてくれる各家庭に付いた小さいバージョンの下水処理場と思ってください。
ポイント
下水道は道路にある下水道本管までパイプのみで繋がっているだけなのでメンテナンスはほとんど必要ないですが、浄化槽の場合は小さい下水処理場があるのと同じなので様々なメンテナンスが必要になってきます。
浄化槽の年間費用っていくらかかるの?
それでは一戸建て浄化槽の年間維持費の内訳を説明し、最後に具体的にシュミレーションしていきます
・清掃費用
一部の単独浄化槽では法律で6か月に1回以上清掃する浄化槽(全ばっ気)がありますがそれ以外は基本的に1年に1回以上の清掃となっています
参考
1回以上というのは汚れが多すぎる場合はその期間が来る前に早目に掃除してください、という意味です。
清掃費用は汚泥を抜き取った量(㎥)で計算されるか、人槽(5~10)ごとに金額が決まっている場合のどちらかが多く詳しい単価や値段は市町村の担当の課か清掃業者にお問い合わせください。
・保守点検費用
こちらは消毒剤の補充や浄化槽の機能を正常に保つために必要な点検費用です。
単独浄化槽で年間1万円前後、合併浄化槽で年間15000円~20000円くらいが相場かと思います。※よれより高い業者さんでもサービスが良ければ問題はないと思いますが安すぎる業者さんは逆にご注意下さい。
浄化槽点検業者の選び方はこちらで簡単に解説していますので気になる方はご覧ください。
-
浄化槽の点検業者の選び方は?@ルチ
続きを見る
・法定検査費用
こちらは年1回公的機関が詳しい水質検査や第三者の目線で浄化槽の総合評価をする車でいう【車検】の様な点検になります。
費用は都道府県によって値段が違いますが年1回で4500円~5500円くらいです。
・ブロアーの電気代
一部の特殊なブロアーを除きブロアーは1年中動いているので意外と電気代がかかっています。
1W(ワット)で年間約240円(単価 27 円 / kWh で計算)なので使用しているブロアーのワット数×240円で簡単に年間電気代を計算できます。
浄化槽ブロアーは年間電気代5000円くらいの物から3万円くらいかかる物もあります。
ブロアー交換の時に電気代で損をしたくない方は省エネで良いブロアーをこちらで紹介していますのでご覧になってください。
-
【R6年版】コスパ良し!節電おすすめ浄化槽ブロアーランキング@ルチ
続きを見る
分かりやすい1年間の維持費用はこの4つの費用で計算できますが、ブロアーはもちろん電化製品なので壊れる時が必ず来ます。
ブロアーの種類は様々で耐久もそれぞれなのですが10年未満で故障したら修理、10年以上経って故障したら交換を目安にしてください。
浄化槽も中の修理や、修理で対応出来ない場合浄化槽全部取り換えをした方が良い場合もあります。
20年以上30年以上と長い目で浄化槽を使う場合はその様な費用もかかると把握しておくと良いでしょう。
参考
浄化槽の修理は部品代の数千円で済む場合もあれば浄化槽の中に人が入って修理する場合もありその場合は10万円以上修理費用がかかる場合があります。
一戸建ての具体的な年間費用シュミレーション
私が個人的に推薦する浄化槽メーカー『フジクリーン』のCA5人槽とCA10人槽で実際に私が居る会社と近い金額で具体的なシュミレーションをしてみます。
参考
浄化槽は5人槽が一番小さいサイズで今販売されている家庭用浄化槽は5人槽・7人槽・10人槽の3種類の大きさがあります
ポイント
フジクリーンの浄化槽は中の作りもしっかりしていて標準で付いているブロアーも省エネなのでおすすめのメーカーです。
浄化能力の高さを求めたい方はニッコーのロングセラー浄化槽『浄化王』がおすすめで浄化槽管理士をしていて抜群に浄化能力が高いと思える最高の浄化槽です!※浄化槽を初めて使う方で不安という方は『浄化王』を選べば間違いありません
・CA5人槽
清掃費用 総容量が1.513㎥なので
清掃単価14000円×
1.513+税=23300円
保守点検費用 16000円
法定検査費用 5300円
ブロアー年間電気代 39W×240円=9360円
合計年間費用 53960円
・CA10人槽
清掃費用 総容量が3.029㎥なので
清掃単価14000円×
3.029+税=46647円
保守点検費用 16000円
法定検査費用 5300円
ブロアー年間電気代 75W×240円=18000円
合計年間費用 85947円
※清掃費用は全量抜きとして計算してます。
ポイント
浄化槽の地域で市町村独自に年間費用を一部負担する補助金制度がある場合もあるので確認すると良いでしょう。
浄化槽の人槽は基本的に家の床面積(延べ床面積)や2世帯住宅(お風呂が2つ以上)かどうか等で決定します。※2世帯住宅は10人槽
家は大きく作りたいけど住む人数は2人や3人で人数が増える予定もない場合申請すると小さい浄化槽を入れる事が出来ます。
3人なのに7人槽が入っていて不満に思っている方とかも多いので確認しましょう!
詳しくは市町村にお問い合わせください。
一戸建て賃貸・集合アパート賃貸の浄化槽費用
一戸建て賃貸の場合
契約時確認しないと後々揉め事になるケースも実際に見てきていますのでご注意下さい。
料金負担の一番多いパターンは、浄化槽修理費用・ブロアー修理交換費用は大家さん負担で、清掃費用・保守点検・法定検査費用は入居者負担が多いです。
浄化槽は家の設備として考え、清掃費用・保守点検・法定検査費用は下水道使用料と同じ役割なのでこの負担の分け方が一番無難だと私は思います。
集合アパート賃貸の場合
浄化槽管理・清掃費用は個別に入居者に負担してもらうのは難しいため、家賃や共益費に含まれている場合が多いです。
入居者の感覚的には上水道料金しか払わないのでちょっと得をしている気分になりますが間接的に払っていますので心配しないでください。
下水道だと水道代が2倍になる!?
これはよく皆さん言っている事なのですが、おおざっぱな目安としては合っているんですが本当の考え方としてはかなり間違っています。
詳しく説明していきますね!
まず大前提として浄化槽地域の水道料金と下水道地域の水道料金は同じ市町村なら同じ値段です。
下水道料金は水道料金と合算して請求されるので水道料金の内訳を見ないで合計金額だけを見ると水道代が倍になった!と勘違いします。
水道料金と下水道料金は市町村のホームページで目安の一覧表が載っていたり、数字を入れるだけでシュミレーションが出来たりしますので浄化槽の料金計算よりかなり簡単です。※【市町村名+下水道料金】と検索してみましょう!
実際に名古屋市の下水道料金シュミレーションで当てはめてみます。
まず最初に水道料金は浄化槽でも下水道でも変わらない事をご確認ください。
水量は同じ35㎥で浄化槽の場合は【名古屋市の下水道をご使用でない方はチェックしてください】のチェックを入れて計算するボタンを押します。
下の水道料金はどちらも同じ金額になっているので浄化槽でも下水道でも金額は同じなのが確認出来ました。
ポイント
口径は一戸建て住宅は大体13ミリか20ミリのどちらかで水道料金の紙や家の外にある量水器ボックスを開けると中に書いてあります。
それでは使用水量を変えてみます。
少し極端ですが10㎥と50㎥で計算してみます。
10㎥だと下水道料金はほぼ同じ金額ですが50㎥だと2000円近く金額が変わってきていますね。
なぜか?
それは水道料金と下水道料金は単価が違うからです。
ちなみに私の住んでいる市は水道料金より下水道料金の方が高いです。
ポイント
下水道料金が基本料金で収まってしまう家庭は浄化槽ブロアーの年間電気代程度の金額で下水道を使えます
水道料金が全国で一番高い夕張市はこうなっています。
水道料金も高いですが下水道料金もかなり高いですね!
浄化槽から下水道に切り替える場合は今使っている水量でシュミレーションする事をおすすめします。
下水道にしたらとんでもなく高くなった!って声も良く聞きますし、下水道の方がかなり安くなる事もあります。
浄化槽と下水道はどっちが高い?安い?
これに関しては浄化槽の大きさや管理料金、水道の使用量によって全く変わるので答えがありませんがおおざっぱな目安として
水道をたくさん使うなら浄化槽が安い、水道をあまり使わないなら下水道が安いと考えられます。
詳しく説明していきますね!
先ほどの説明したCA5人槽を使っていて市町村から2万円の浄化槽維持管理費補助金を貰っているとします。
残りの負担額はは33960円になるので下水道使用料が年額で33960円より安ければ下水道の方が安く、33960円より高ければ浄化槽の方が安いとなります。
もう一度名古屋市下水道料金で計算すると2ヶ月で51㎥水道を使うと5544円で1年間で33264円です。
答えが出ましたね!2ヶ月で51㎥より少なければ下水道が安く51㎥より多ければ浄化槽が安い、となります。
※ブロアー修理交換代・浄化槽修理費用は含みません
※市町村によって浄化槽維持管理費用・水道代・下水道使用料は全て違うので計算のやり方として捉えてください
下水道の落とし穴
下水道料金は下水道管に汚水が流れた量ではなく【使用した水道量がそのまま下水道使用量になる】っていうのが注意ポイントです!
水道から出た水を飲んだり洗車をしたり庭に水を撒いたりした水は下水道に流れていなくても全て下水道使用料金として計算されます!
お風呂でお湯をたくさん使う・洗濯機を1日何回も回す、洗車をたくさんする、庭に水をたくさん撒く、プールで遊ぶetc...の様な家庭は浄化槽が向いているかもしれません。
浄化槽と下水のメリット・デメリットは?
・浄化槽
メリット
- 水道をたくさん使う家庭での浄化槽は清掃が回数が増えない限り年間維持費は固定なので安くなる可能性がある(メリットでもあり、デメリットでもある)
- 災害時でも使える可能性がある
ポイント
水道をたくさん使う家は安くなる可能性がありますが使用する水道量が減っても浄化槽維持費は固定なので安くならずデメリットになります。
子どもが家から出ていって1人や2人しか住んでいないのに浄化槽維持費は安くならなくて悩んでいる方も多いです。
デメリット
- 浄化槽の掃除や点検・修理と様々なメンテナンスが必要
- 大きな修理は高額になりやすい
- 水道をあまり使わない家庭にとってはかなり割高になる
- 家庭から流す汚水や生活排水を気を付けなければならない
- ブロアーの音や振動が気になる場合がある
- 適切な維持管理をしないと虫が気になる場合がある
- 周りの家が適切に維持管理されていないと臭いや音で悩まされる場合がある
- 掃除の時や通常時でも臭いが気になる場合がある
- 浄化槽の上に車を止めると消毒剤の塩素ガスで車の鉄の部分が錆びる
- 病気で薬を飲んでいたり人工肛門・過食嘔吐の場合清掃回数が増える可能性があり清掃費用の負担が大きい
ポイント
浄化槽はシングルのJIS規格に合格したトイレットペーパーを使い、油や汚れの強い物は流さない、流せるトイレシート、生理用品・動物のフン等ゴミや異物を流さない、カビ取りや漂白剤は少量で使い、硫黄成分の入った入浴剤は使わない等の配慮が必要です。
・下水道
メリット
- 水道をあまり使わない家庭にとってはかなり維持費が安い
- 水道使用量を減らせば下水道使用料金が減らせるので節水の意識が芽生えやすい
- 家庭から流す汚水や生活排水を浄化槽程気にしなくていい
- メンテナンスがほとんど必要ない
- 浄化槽と違い臭いや音に悩まされない
デメリット
- 災害時使えなくなる可能性がある
- 水道をたくさん使う家庭は浄化槽より維持費が高くなる可能性がある
浄化槽や下水道工事費用は?
浄化槽新設工事の補助金を多く出している市町村はタダで浄化槽を入れられる事もありますし、下水道工事も条件が良ければ10万円代~出来る場合もありますが家の条件で凄く金額の幅があるのでどんなリフォーム工事も可能|リフォーム比較プロ(PR)の様なサービスで比較すると良いでしょう。
厳しい審査に通った業者のみが登録されており、お客様からの評判が悪い業者は登録削除されるので安心して無料見積もりが出来ます。
金額は安い方が良いですが内容を必ず確認した方が良いです。
あと浄化槽の近くには水道を必ず設置してくださいね!
水道がないと適切な清掃や維持管理が出来ない可能性があります。
注意ポイント
浄化槽入替え工事の場合、浄化槽は新しくなっているが桝(マス)を古いコンクリート製の物から新しいプラスチック製の物に交換していなくて後から追加工事になる事が良くあります。
コンクリート製の桝は中が割れていたり、隙間が出来ていて漏水している物が多く、更にトイレットペーパーや汚物がコンクリートに引っ掛かりやすいのでプラスチック製の桝より詰まりが発生する確率がかなり高くなります!
浄化槽入替え工事をする時はプラスチック製の桝に交換するかどうかを必ず確認して下さい!
まとめ
ここまで見ていただきありがとうございます!
浄化槽は家に下水処理場があるのと同じ事なので全体的に見たら浄化槽の方がコストがかかる方が多いと思いますし、長期的に考えたら更にコストはかかります。
下水道の土地と浄化槽の土地を比較している方は分かると思いますが、浄化槽の土地は数百万円単位で安い場合も多いのでそこをどう考えるかも重要ですね。
維持管理の補助金等もどんどん広がって欲しい所です!